罠猟師になるには なったで 罠はどうする? 箱罠編 ④

罠猟師になるには なったで 罠はどうする? 箱罠編 ④

大型箱罠に餌を入れて、畑の周りに置けば、鹿でも猪でも簡単に取れるんじゃね?

ってなもんですよ。 もうねサビキ釣りの感覚。 うちはもう、一生食う肉に困らない。 そんなイメージでしたが?

 

まあ掛からない掛からない取れない取れない。 本当は獣害なんてなかったんじゃないか? 猪も鹿も絶滅危惧種かもしれない。そんな気がしてきたころ、2台使ってようやく1年目に一匹。2年目に三匹。 3年目に四匹。鹿ばかり。 罠の掛け方も悪いのかもしれませんが、こんなもんらしいです。 新品の箱罠が自然に溶け込んでくれるまで。イノシシは嗅覚が良いのでもうしばらく無理なのかな?  捕獲率はやっぱりくくり罠のほうが高いです。

大型箱罠のメリットは、①くくり罠に比べて安全。(止め刺しも) ②私の街では有害駆除従事者だと年間を通してどこにでも設置できる。 これは気軽に獣害を防ぐことができそうな感じ。

デメリットは①一人で設置、移設が難しい。 ②高価である。

これではまったくもって気軽ではありません。 よほど条件が整ってない限りくくり罠のほうが良さそうです。 が! 私の街では条件が整ってました。 先輩くくり罠猟師に聞くと狩猟免許を取って有害駆除従事者になれば町から無料で大型箱罠をプレゼント。 大型箱罠は町内の鉄工所で15万円で作ってもらうんやで!とのこと。 免許代から罠代まで無料になるなら狩猟免許取らない理由はないわな?とその時は簡単に考えていましたが。

まあよくよく街の担当者に聞くと別に一台ではないとのこと。 その鉄工所も今はないとのこと。そう。もう20年前の話題でした。

で、結局これなら半額やで?2台買うてもらってもいい?と、聞くとちょうど予算はありますとのことで買ってもらいました。

ただ、これを覆す箱罠を見つけました。はっきりまとめます。 この箱罠は金額が高いか安いかはさておいといて「買い」です。

まず一人で運べます。 そして組み立ては一人で20分。 解体も一人で15分で、できます。 そして4年間使って致命的なサビはまったくありません。

一番重い扉部で26㎏。大人の男性なら余裕です。 肩に担げる形状なので運びやすい。 そしてわかりやすく言うと、コンパネいちまい通ることのスペースが有ればどこまでも運んでいけます。今まで獣道近辺には大型箱罠を運びいれることができませんでしたが、これは山奥でもいといません。 それが一人でできるということはかなり他の箱罠猟師に差をつけることができます。普通の大型箱罠は二人がかりでもしんどいのでゆうに200kg位あるでしょう。

そして耐久性ですが、今のところ致命的な錆はありませんし、何なら部品ごとにバラ売りしてくれています。 ちなみに四年で壊れたのは、ワイヤークリップ一つだけ。これもホームセンターで普通に売っています。 壊れた理由は、ナットがずれたまま電動ドライバーで締め付けたこと。 ただの横着で失敗しました。

ちなみに営業所止めの荷姿は、軽トラに荷台の大きさです。ちょうど乗ります。

組み立て方のコツは、まずは底面、側面、扉面の三方を作ること。 で、ワイヤークリップの本締めは一番最後にする。できればそれまでは一番ゆるい状態にしておく。

トリガーは魚釣り用の黒色のPEラインを使っています。ナイロンなどと違って伸びに強い。

 一番安いこれの1号サイズです。一回に1.8mぐらい使うので80回分ぐらいあります。 ちなみに2年放置でも切れませんでした。

箱罠の片扉、両扉の選び方ですが、要はトリガーから出口までの距離が長ければ長いほど空はじきがなくなります。この箱罠は真ん中にトリガー糸をつけていますが、今まで逃げられたことはありません。1mは十分な長さかもしれない。

設置は、こんな感じ。ウレタン塗装済みコンパネも敷きます。逃げようとする獣は必至ですから底面の網の痛み防止です。そしてつるつる滑るので側面にも突進しにくくなります。置いた米ぬかで腐っていくこともありません。目立つからダメかな?とおもいつつ枯葉や草を集めるのもめんどくさくて、そのまま置いて実験していましたが今のところとれています。

トリガーの糸は下から二番目の45㎝の位置に。その下の23㎝だと、たぬきがかかります。これの真ん中付近に米ぬかを8リットルバケツ一杯ほど山盛りに。その上から真ん中に大さじ2杯ほどの塩をかけます。 そして写真ではありませんが屋根部分に、木の枝を葉っぱ付きで適当に載せます。これは別にカモフラージュというよりは強雨で米ぬかが流されないように。ビニールシートとかでもいいかもしれませんが、私ははためく音が気になるので。 そうすると米ぬか自体は経験上一年以上は獣が食べることのできる状態です。クッキーみたいに固まっていますが。 右の写真も8か月ほどほっておいた米ぬかの罠にかかっていますが、きれいに食べられています。

秋にはサツマイモくずを入れてみたり、冬には白菜の外葉だったり入れてみたのですが結局米ぬか一本に落ち着きました。

ちなみに、白い紙は掲示義務のあるものです。これを見回り時に見やすい位置に貼ります。そうすると離れたところからでも扉が閉まっているのがわかりやすいです。赤い布でもいいかもしれません。

ちょっと画像からは分かりにくいですが、二台ともけもの道の少し広がったところに設置しています。(伐採したり、木の枝などで調整して。)

耐久性が長そうなので10年で報奨金との元が取れるぐらいだといいなあと考えています。

ほなまたね