白崎海洋公園と漁農レストラン ゆらら

白崎海洋公園と漁農レストラン ゆらら

妻と子供と和歌山の白崎海洋公園に行ってきました。

白崎海洋公園は景色もめちゃめちゃきれいでキャンプもできてコテージやログハウスにも泊まれてダイビングもできて海遊びもできてって、 良いところです。 かなりおすすめ。

おすすめって書いといてなんですが、新しくオープンしたらしい漁農レストラン「ゆらら」ってのがまあちょっと残念過ぎたので田舎の観光地の商売についてちょっと思うところを書いとこうかなと。

私こう見えて(顔出して見えてませんが)飲食店経営コンサルティングなんて会社員時代を過ごしてみたりしていたので色々と地方の商売に思うところがいろいろあります。

観光地の商売。長続きしないよそれじゃ。結論から言うとおいしくない。

さてこの白崎海洋公園、和歌山県由良町ってとこにありましてざっくり見たところ車で30分ぐらいの範囲の商圏人口は50000人程度。 最寄りのICまで25分、 大阪まで80分てな立地条件。 さらに南へ90分ほどで白浜とかの有名観光地。 ただしICから遠いのと国道からも遠いのでここからの流れは見込めない。 白崎海洋公園+近隣観光地巡りがメインの場所だろう。 人が集まるイベントも定期的にやっていてそこそこ集客能力は高そうだ。 資料によると平成28年は22万人ほぼ9割が日帰りの様子。 ここはダイビングを中心に東京の会社が経営をゆだねられている様子。 地域DMO的なものも作っているんだろう。

結論から言うと田舎観光地の半分公的な飲食業の場合大抵ダメなことが多い。 (公的ではなく私的なところは良いのだが) 一つは店に来るお客を客の顔ではなく数字で見ているから。 オープンしたばっかりだというからまだ数字は出ないだろうが、客が減った・増えた理由はおそらく 店のクオリティではなく 「観光客の増減」 「ダイビング客の増減」に求めるだろう。 確かにそれは大きな要因ではあるのだが この商圏の観光地の地元PR的飲食店は「観光客に求められる店舗」ではなく「地元民に求められる店舗」である。 先ほど述べた50000人の商圏の顧客を狙うべきなのだ。 年に一回もしくは一生に一回しか来る可能性のない22万人よりは年に5回来てくれる人口の1/10で良いから(高齢化もあろう)5000人を狙うべきである。 地元の人が年間5回は訪れるに堪えうる飲食店。

おそらく半公共的な施設なので家賃というか使用料ベースに考えると損益分岐点はだいぶと低いはず。原価率を高くしてお得感を前面に出すことに注力すべきである。

なのに、大人1500円で茶碗一杯のシラスどんぶりと刺身が6切れ。 刺身はハマチとモンゴイカ。 魚の煮つけはそのハマチのアラとハラミ。 モンゴイカのゲソとかは料理に使われてなかったのでもしかしたらもんごではなく冷凍のロールイカかも。 サラダ類はおそらくB品の色形の悪い野菜を細かく切って市販ドレッシングで混ぜただけ。 フライてんぷらはアルバイトの子が揚げていたが油のたっぷり染み込んだもたれもの。スーパーの総菜コーナーよりはるかにひどい。 唯一みそ汁のみそだけが美味しかった。

シラスどんぶり目当てなら確実に他の店に行くべきである。 だいたい客数の取れない店でバイキング形式をやっても店の労力の省力化にもつながらない。 同じ1500円を単価にするなら「白崎定食」とでも銘打ってもう少しクオリティの高い物の単品勝負からスタートすればよいのに。

観光地の民間ではない商売とはこのようなもんである。 地方の活性化とは箱や物に頼るのではなく、「地元の人が自慢したくなる」ような地方にしてゆくべきなのだ。

ほなまたね