ブラック企業をお得に辞めた人のお話。

ブラック企業をお得に辞めた人のお話。

友人から相談を受けていた件である。

話を聞く分には労働条件はそんなブラックではないんだが、 人間関係が少しブラックな会社。 えてしてそんな会社はやっぱりブラック企業である。  仕事は楽しいんだがやめたいと聞いたのは春先のお話。 6人ぐらいの小さな営業所で所長さんの定年に伴い所長さんが年功序列で変わったとのこと。 この人の悪口というかぐちぐち聞いたのだが自主退職もできそうにない雰囲気でどうすればいいかと相談を受けた。

アドバイスしたところ結果的にだいぶんとお得に辞めれたのだからこういう辞め方もあるよと備忘録。

まあその所長さんは仕事中にビール飲んでるわ、帰れだの辞めてしまえだの結構な暴言を吐くというスペック。 午前午後の小休憩と昼食休憩には事務所に集まりそれ以外は個々に作業ということで彼にはボイスレコーダーの購入と休憩毎の録画をお勧めしておいた。

彼に伝えたことは「飲酒の現場の録画」と「辞めてしまえの言質」これがあれば辞めれるよと。

そしてついに「げっとしました~」との連絡。 結構すっかり忘れていたのだが仕方ない。 ちゃちゃちゃっと居酒屋へ。 映像を見たら結構しっかりとれていたのでブラック企業退職作戦決行。

言質としてとれたのは「辞めてしまえ」と「帰れ」録音聞く限りはっきりと取れている。

「辞めてしまえ」は退職勧告と受けることができるし、 「帰れ」はその場での出勤停止命令と取ることもできよう。 持って行ってたPCでその場で会社に対し要望書を作成。

内容はこうだ。「本日所長○○より出勤停止命令と退職勧告を受けました。これに関しては録音しています。よって速やかに予告解雇手当振込日と有給休暇残日数の消化可否、離職票の発行予定日の連絡をお願いします。返答期限は〇月〇日中」って感じで。 期限日は書面到着予定の二日後、 有給休暇はおまけ。 40日ほど残っていたので行けたらラッキーぐらい。 補足的に「所長○○との会話には恐怖を感じ精神的苦痛を伴いますので直接会話は致しません。なお今回以降電話の会話は録音させていただきます」「要望が聞き入れてもらえないときは労働基準監督署に行き今回の件と~~~~について相談します」と補足。 ~~~~は内容は伏せておくが法令違反の事実である。  小さな会社はブラック企業かは置いておいて法令違反は多い。 重箱の隅をつつけば大体出てくる。 要望書は私は弁護士でも司法書士でもないのでUSBメモリーにて渡しあくまでも自分で作って速達の配達証明で出すように伝えた。(内容証明は手間なんで聞き入れてもらえなかった場合にする)

で、二日後友人より連絡あり。「給料アップと別の所への移動を勧められた」とのこと。 別のところは通勤が30分から60分になるという。それでは特定理由退職者の範囲には入らないので、 それを飲むかは本人次第なんで決めたら教えてよと。 結局彼は元からと今回の対応に会社不信を抱いていたようで、その条件は飲まずに「解雇のままで結構です」と言い切ったみたい。 結局会社は解雇だけはしたく無かったようで、(おそらくなにがしかの雇用助成補助金をもらっているのだろう) 自主退職の形+有給消化+3か月分の給与を現金で(給与支払いではないということ)で解決したそうな。

その解決方法もだいぶとおかしいと思うが自己都合だと失業保険もらえるまでに三か月かかるし本人にとっては良いんだろう。

まあこの話で一番の悪役さんになってしまった所長さんの現在は知る由もないが、 こういう労働問題がらみは私が訳あって詳しいこともありよく耳にする。

会社の社員を育てる教育カリキュラムの中に労基法は入れておくべきだと切に思う。

部下を持ってしまうならもちろん部下に対し「法規上の労働条件の確保義務」は発生するんだが、法規上のやっていいこと悪いことが経営者も分かっていない人が多いし上司も部下も分かっていない。

これがブラック企業を発生させている要因だと私は思うのだが。 ポイントを押さえれば現場段階ではそんなに多くはないはず。 ここをないがしろにしている会社が成功した例を私は知らない。

ほなまたね