外食産業にに30年携わってるコンサルマンが考察する「バイトテロ」

外食産業にに30年携わってるコンサルマンが考察する「バイトテロ」

全くくだらない。くら寿司なんかのアルバイトによる「不適切動画の投稿」である。

こんなことして何になるのだろうとも思う。 やった本人が悪いのはもちろんであり、法にのっとった処分でかまわないと思う。 その原則にのっとて話をしてゆくが。 ただ被害額が少なく示談で済むことを子供を持つ親としては願いたい。

そしてこんなことを起こさないで済むにはどうしたらいいかの3つ解決法がある。

一つは従業員教育である。

よく会社はだれのもの?という質問に「会社は株主のもの」という立派な答えがあるが、個人的には全否定したい。 それではこのマイホームはだれのもの? と言って、ローン払い終わってないので「銀行のもの」というのと変わらない。 会社は 株主と経営陣と従業員のものである。均等に。

あくまでも均等にである。 このバランスが崩れると最近では伊藤忠とデサントや、下町ロケットや労使紛争なんかになってくる。足の引っ張り合いほど生産性の無いことはない。

この中で従業員が一番声が小さいし出しにくい。でもここを重視しないとこういうことが起こるんではないか?

まあ一時期ぐれていた私としては気持ちはわからないことはないが。やんちゃの一種であろう。

そうきっと今の若者も同じ気持ちの人間がいると思う。 やってることは大きな被害を生むこととなったが「つまみ食い」と変わらないレベルで彼らはやっていたはずだ。 古市憲寿さんもちょっと具合の悪いこと言ってたしなめられていたが。

彼らはきっとスマホは勤務中はロッカーに入れておくようにと、職場のルールはあっただろう。 そのルールが破られてしまっていること。 ここが問題の根っこ部分だと思う。

「バイトテロ」とは言わないが、アルバイトの不正行為は日常的に発生している。

例えば、タイムカードの不正打刻や、休憩場所でのたむろ。 つまみ食いや、金銭横領。 数え上げればきりがないぐらい様々な業種職種で発生しているだろう。

ここで思うのは、私は一時期変な道に入っていったとはいえ、勤め始めた飲食店で10代後半を過ごし、人として少しまっとうな道に戻してくれた会社や上司には大変恩義を感じている。 それを誰かにまた伝えたいという思いでアルバイトも雇ってきた。

企業の社会貢献性というのはもちろんあってしかるべきでありくらコーポレーションも行っているようだ。 だがこれは利益のでている企業だからできることでもあるだろう。

ただし、くら寿司の本当の社会貢献とは「すし」という料理を通して 安全安心な材料を使いたくさんのお客様にすしを低価格で食べていただくことで社会貢献をする。 が本業である。

その寿司を提供するにあたって、店という箱があり、その店で働く従業員が必要なわけだ。

もちろん従業員を雇用し、給料を支払うことだけでも社会貢献だが、従業員を社会人に育てる。 ということも立派な社会貢献である。 もちろん新卒採用には研修を施し、夢や昇給の道を与える。

でもそうじゃなくて、学生アルバイトたちに、会社で働くことの厳しさや社会のルール。 そして仕事を頑張るということはどういうことかを教えてやれることができる企業というのも多大な社会貢献だと私は思う。 向上心や、道徳心を会社として統一できていればこんなことは発生しないかもしれない。

厨房に不衛生の代表格であるスマホを持ち込んでこんな動画を取ることができたのだから、おそらく他のこともいろいろ彼らはしてきたのだろう。 つまみ食いなんかは簡単にできそうである。 そんなちいさい不正を、発見したりする仕組みがなかったんではないだろうか。 監視カメラをつけなくても手法はいくらでもある。 組織としてルールを守らせることは組織づくりの最初の第一歩であり、基盤である。

もう一つは現場管理責任者の教育である。この場合は店長だろうか? ようは従業員をヒマにさせたことに管理者としての未熟さがある。先ほど、「くら寿司の本当の社会貢献とは「すし」という料理を通して 安全安心な材料を使いたくさんのお客様にすしを低価格で食べていただくことで社会貢献をする。が本業である。」と書いたが、低価格の為にはもちろん無駄な人件費は出せない。 くら寿司ぐらいのチェーン店であれば人時生産性の定義ぐらいは教育されているはずだが。 わかりやすく言うと手待ち時間の発生予測とそれに対する作業指示が出ていないことによってヒマができてしまっている。 要するにヒマをさぼる時間にするのではなく価値を生む時間にできるマネジメント能力が責任者にあればよかったのだ。

そして最後に一つ。アルバイトの時給である。うちの近所のくら寿司は11~23時の営業である。準備片付けの為に従業員は10~24時ぐらいだろう。 全くの想像だがアルバイトの月間総労働時間数は2500時間ぐらいではなかろうか。 時給850円なので支払賃金は212万円ぐらいだろう。 和歌山は最低賃金が803円である。去年の10月に803円になったので今の求人トレンドは850円である。 これを900円にしても経費は12.5万円の上昇になる。 おそらくこの店舗は月商2000万ぐらいであろう。 12.5万円支払ってでもまずは優秀な人材を獲得したほうが良い。 他の飲食店と比べ時給が高ければ、仕事がしんどい覚悟のある人材が集まるはずだ。 そしてアルバイトの時給も10円刻みでよいのでランクをしっかりつける。 月間100時間ほど働く学生バイトなら、月間1000円でランクアップのモチベーションを与えられるはずだ。ここまでしても月間20万円ぐらいの経費だろう。 そしてこの投資による従業員の働く姿勢にはプライスレスであり、売上や利益にも直結していくはずである。

バイトテロ、アルバイトの不正行為というものはやった本人が一番悪いことは確かだが、一度雇っている側の責任を自問してみるのも大切なはずだ。 あくまでも自問である。

ただ20年ほど前に初めて食べたくら寿司のビンチョウマグロは今思い出しても感動ものだった。

最近はスシロー派になってしまったがこちらもあきんどとの統合や、ゼンショー、元気寿司などでごたごたした時期を乗り越えてきた。 昔はくら寿司のほうが絶対よかったはずだ。 くら寿司もこの事件を乗り越えて、あの時の感動をもう一度与える店になってほしい。

ほなまたね